TRN TE PROレビュー CS43198 x 2搭載でコスパがよいDAC

TRN TE PRO レビュー CS43198 x 2を搭載し、コスパのよいDAC 音楽関係

AKLIAM PD5を購入したばかりなのに、いま世間で流行っているCS43198を搭載したDACの音が聴いてみたくて、お値段以上の性能でおなじみのTRNから発売されているTRN TE PROを購入しました。

TRN TE PROのレビュー

パッケージですが、AKLIAM PD5と同じような、ぴったりとはまったケースで届きました。
これ、中の箱をずらして取り出すんですけど、すごくぴちぴちで、この状態に分離するまで5分ぐらいかかりました。
TRN TE PROを箱から出すのは大変
最近流行りの基盤が見える構成です。何度も書きますが、ノイズ対策的には鉄板で覆う方が良いんですけどね。
右側にある大きいICがCT7601PRでオーディオブリッジコントローラーです。真ん中にはCirrusLogicのDAC、CS43198を2基搭載して、その反対側にRicore社のRT6863オペアンプを2基搭載しています。

パッケージの同胞物です。USB CtoCケーブルと、分厚い説明書、TRN TE PRO本体です。見てわかるように本体のビルドクオリティが素晴らしいです。

TRN TE PROの売りである有機ELディスプレイで、ここに全ての情報が表示されます。画面もくっきりと明るく野外での視認性も抜群です。
設定の変更のためだけにスマホにアプリを入れる必要が無いので本体で全て設定できるのは便利です。設定変更の際も常に「どの項目」を設定しているのかが表示でわかるため非常に便利です。
当然設定した項目は次回起動時もそのままで、100段階あるボリューム位置もスマホ本体とは独立して記憶されます。

TRN TE PROの音質レビュー

さっそくTRN TE PROの音を聞いていきます。

再生環境はLG V20にUSB Audio Player PRO(課金済み)とNICEHCKのHimalaya、曲はM3の戦利品です。
設定は以下の通り、設定で高音質に出来るものは設定した感じ。
GAIN:High
AMP:ClassAB
Filter:F1
TRN TE PROの音質レビュー
比較対象はやっぱり大好き、AK4493SEQ搭載のAKLIAM PD5です。
あ~、なるほどTRN TE PROは違いが分かりやすい。
音を聞いてすぐに分かるのが線が細いです。解像度が高くて繊細な音という表現の方が伝わりますかね。PD5よりも解像度が高く感じますがパンチのある音ではありません。

AKLIAM PD5もスッキリ系の音と言いましたが、TRN TE PROはもっとすっきりしています。具体的に言うと女性ボーカルの声が顕著なのですが、PD5に比べると奇麗で繊細な音ですが音に厚みや立体感が少なめです。なので音の奥行きが足りずに平面的な音になります。あと高音域が固くて少しざらついたデジタルっぽさを感じます。

総じてAKLIAM PD5の方が音楽的な音の鳴り方をします。
ただし、これは2つを比較したので違いが明確に分かりますが、TRN TE PROだけを持っていたらこの音で不満を持つ人はまずいないと思います。

ビットパーフェクトで再生できない
USB Audio Player PROでどうやってもビットパーフェクトで音楽再生が出来ませんでした。
USB DACの初期化時には16bit/44.1KHz表示になりますが、曲を流すと32bit/44.1KHz表示になります。フィルターがオーバーサンプリングを使っているとの記述があったのでフィルターを使わない設定にしてみましたが、32bit/44.1KHz表示は変わりませんでした。

デジタルフィルター
何種類か入っていて再生中にポチポチと変更が出来ますが、違いは分かりませんでした。AKLIAMのサイトにはCirrus Logicの製品はフィルターの変化が分かりやすいとの記述がありましたが、全く変化がわかりません。

the sound changes during the filter switching of the Cirrus Logic chip are more obvious.

ASIO Driver
公式のASIO Driverはありませんので、ASIO4ALLドライバを使いましょう。

発熱
音楽再生中はほんのり暖かい程度なので問題なさそうです。

バッテリー消費量
USB型の宿命ですがバッテリーをもりもり減らしていきます。私はLG V20に繋いでいますが3000mAhのバッテリーで5時間ぐらい使える感じです。

他のCS43198x2搭載機との比較

Tanchjim Luna、EPZ TP50などありますが、外側のカバーが違うだけで中身は一緒っぽいですね。中国の製品によくあるリファレンス基盤を使った姉妹製品に見えます。
それならお安いTRN TE PROで良いと思います。TP50なんて液晶の部分がそっくりで、分かりやすい(w

まとめ

ネット界隈のレビューではすごく評価が高いですが個人的には持ち上げすぎで、本来評価すべき音を重視すると、ちょっと違和感を感じました。
おそらく値段が高いEPZ TP50とかと比較しているので、安くて良いという話だと思います。

完全に個人的な感想ですが、音の造りとしてはESSやAKMからは一歩劣る感じがありました。
もちろんDACのチップだけでなく周辺のアナログ回路の設計で音が変わるのは理解しています。ここは想像ですが、コスト削減のためにゼロから回路の設計は行わずメーカーのリファレンスボードを元に作ることも多いのでCirrus Logicの音はこうなのかなーという感想です。

その半面、機能面にフォーカスするとこの値段でCS43198x2でスペックが高く、有機EL液晶付きで操作性が良いDACです。
PD5のしょぼい外観に比べたらお金がかかっているのが分かります。また、PD5と違って日本のAmazonで買えますので、DACとして音と機能を総合的に考えるとコスパは高いです。

内容的には厳しめなレビューですが、現実的にはこのTRN TE PROを購入したらほとんどの人が満足すると思います。満足しないのはAKMが大好きな私ぐらいです。

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