安価なDAコンバータチップであるCX31993とALC5686を採用したUSB DACを購入して音の比較をしてみました。
チップのスペック比較
2つのチップの性能ですが、スペックだけ見るとかなり良いんですよね。
これが1000円から2000円程度で買えるってすごく価格破壊です。もちろんチップの性能だけで実際の音は決まらないですがすごい時代になりました。
スペック | ALC5686 | CX31993 | ALC892 |
---|---|---|---|
PCM | 32bit/384KHz | 32bit/384KHz | 24bit/192KHz |
SN | 120dB | 128dB | 95dB |
DNR | 110dB | 120dB | - |
THD+N | -92dB | -95db | - |
一番右は私が使っているマザーボードのオンボード音源ALC892です。スペックのDNR等の情報は見つかりませんでした。
ALC892は2011年ぐらいからあるチップなので、今となってはだいぶ見劣りがする性能です。こうして並べてみると、値段的にも少し高いCX31993が全体的に性能が良いです。
音質の比較
例によって主観なので正確な測定値などはありません。Amazon Music HDの排他モードで同じ楽曲を聞いて音質を比較をします。
まずはマザーボード標準のALC892です。
音の輪郭がぼやけていて、はっきりしない音が鳴ります。
最初はこれを基準に音を比較しようと思ったのですが、CX31993やALC5686に比べると雲泥の差です。比べるまでもなくUSB DACの方が高音質です。
続いてCX31993を聞いてみます。
ALC892よりも音が圧倒的にクリアになります。しかし全体的に音が平面で奥行きなど立体感はありません。高音域がシャンシャンと鳴って、さ行がかすれて聞こえます。低音域は薄くてあまり出ません。
よく言うドンシャリのシャリしか無い、真ん中から上の方しか音が鳴らない感じです。
オンボードのALC892よりも圧倒的に音質は上がるのですが、音楽を聴く用の音ではありません。
ちなみに、radius RK-DA60CKがこのCX31993を搭載しているのですが、回路の作り方で大きく音が変わるんですかね?そこまで変わらないと思うんだけど。。
お値段は3倍ぐらいで評価もそれなりですね。
私と同じようにチップがCX31993なのに過大評価では?という感想を持っている人もいるようです。まぁ、私は買わないのでこちらの製品に疑問を持ちつつも実際のところは分かりません。
最後にALC5686を聞いてみます。
うーん、スペック上はCX31993よりも悪いはずですが、私の耳ではそこまでの違いを感じません。全体的にCX31993と同じような鳴り方をします。どっちが良い音かと言われれば、よりクリアに聞こえるのがCX31993なのですが、スペックの違いほどの差はありませんでした。
まとめ
結果として、CX31993 >= ALC5686 >> ALC892と値段通りの並び順となりました。
どれを買うかという話ですが、値段差も少ないし下の方で争っても仕方がないです。CX31993を搭載したUSB DACを購入しておけば今よりも音質が上がってスペック的にも上で心理的な満足度も高いと思います。
ちなみにCX31993でもAmazon Music HDを聞くのには力不足です。
手持ちのES100をUSB DACモードで接続して、16bit/48KHzモードで聞いても圧倒的な差があります。LDACでES100に繋げば別次元の音がします。
良い音で聞きたいのであればもっと高いUSB DACを買うべきですが、そこまで行くなら据え置き型のDAC内蔵のヘッドフォンアンプやES100を買った方が満足度が高いと思います。
コメント
この手のUSBDACでヘッドフォン繋いで聞くと、著者と同様な感想を持ちます。特に、低音が寂しくて、迫力なく、ボリューム上げるとドンシャリになるし。もしかして、これって、ヘッドフォンをまともに駆動できてないのではと、適当なヘッドフォンアンプ(オペアンプ2個の47アンプ。9V単電源分配給電の単純な構成)を経由させて聞くと世界が変わります。こんなくそ安い(失礼)のにまともに鳴る!と感激します。