都市部の戸建て建売住宅だとリビング階段を採用している家が多いと思います。リビング階段は冬寒いと言う声が多いのでその理由と対策をまとめてみました。
建売でリビング階段が多い理由
よくある不動産屋さんのセールスのトークとしては『リビング階段にすると家に帰ってきた子供が必ずリビングを通ってから部屋に入るので家族のコミュニケーションが生まれます。』
『特に思春期のお子さんはすぐに部屋に篭ってしまうのでリビング階段にする意味があります。』
などともっともらしいことを言ってきます。
単純にリビング階段を採用する理由は住宅用の土地面積が狭いからに他なりません。それが証拠に郊外の比較的大きい家の場合は確実に廊下が設置されています。
都会の家は廊下の面積を削って部屋に割り当てているに過ぎないのです。なのでセールストークを真に受けてはいけません。
リビング階段の問題点
住んでみて一番の問題点は夏冬の空調効率の悪さです。
ただし夏は比較的リビング階段による問題は大きくありません。なぜなら冷房による冷たい空気は暖かい空気よりも重く下にたまる性質があるためリビングを冷房する上では問題になりません。
逆に冬場は問題が大きくなります。暖かい空気は上に上がる性質がありますので空調機器で暖められた空気はリビング階段を伝わって二階へと上がっていってしまいます。その上がっていった分の冷たい空気が1階に下りてくることになります。
人間はかなり敏感に温度差を感じるので少し冷たい空気が二階から降りてくるだけで足元に寒さを感じて、体感的に暖かく感じなくなります。
階段をカーテンで仕切る方法は
ネットなどで人気のこの方法ですが、当然やらないよりかは効果がありますが、カーテンなど軽い素材での冷気ブロックをしているだけなので、カーテンが冷気に押されて膨らんでしまいます。
膨らんだカーテンと階段の隙間から冷気が流れ込んできます。
そもそもカーテンだと階段と隙間を開けずに設置をすることは不可能なのでこちらも解決方法というよりは、やらないよりはマシと言う対処療法になります。
床暖房でリビング階段の問題点を克服できるか
軽減は出来ますが、残念ながら解決にはなりません。
床暖房は足元から暖めますので体感の温度を上げる意味ではエアコンなど温風を上から吹きつける方式に比べて有効に働きます。
それでも2階から降りてきた冷気を瞬時に暖めるだけの能力はありません。先に書いたように敏感な人間の温度センサーは温度差を拾って寒く感じてしまいます。
もちろん、エアコン暖房に比べれば雲泥の差ですが、足元の寒さを解決できるわけではありません。
階段に扉をつける方法
階段に引き戸をつけてドアを閉める方式です。こちらの効果は高いです。横にドアが引けるスペースが確保できるのであればベストな方法でしょう。
ただし、たいていの家の階段部分は壁に手すり用の斜めカットが入っていてドアが付けられる構造になっているものは少ないです。ドアが付けられる家はこれで解決できます。
リビング階段の寒さ対策の決定版
先に書いた階段にドアをつける方法が一番効果があります。逆に言うとこれが出来ない家の場合は打つ手がありません。後付でできる対策などたかが知れています。
アルミサッシなどもそうですが、大事なのは家を買う前にセールストークに惑わされずに何を重視するかを判断することです。
不動産屋は売るまでが商売ですので、家を買ってからはどうにもならないことのほうが多いのです。
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